はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

落書きを叱る前に

  生徒のノートを見ると思わぬ発見をすることがあります。私の授業が退屈だからでしょう。あちこちにイラストがある。しかも、全く授業の内容に無関係という訳でもなく、ある意味、論点の絵画化ともいえるものなのです。例えば、哲学的な自他の問題を扱った時には、鏡をのぞき込む少女の姿と、鏡面の別の顔とが漫画になっていました。
  圧巻は授業のノートがすべて漫画風になっているもので、独自のキャラクターが吹き出しの中で授業内容を説明しているのです。LINEの画面のような趣です。
  少し前の私なら明らかに指導対象といえるものなのですが、最近はちょっと考え方が変わってきました。上記の例のノートの書き手の国語の成績はむしろ高く、決して無駄なことをしているのではないようなのです。極めて短い時間で抽象的な概念を絵画化できる能力は評価すべきなのでしょう。
  無関係のいたずら書きと上記の才能の区別は難しく、やはりこれからも注意はし続けることには変わりありませんが、単に叱りつけるだけでは大切なものを見落としてしまう危険性を感じ始めています。