はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ポートフォリオに書き込むもの

 教育改革の一つに高校時代に何をしたのかを評価の材料にしようという流れがあります。これまでも調査書というものがありました。私も作成したことがありますが、よほどの賞罰がない限り、紋切り型の表現で埋め尽くされた凡庸なものでした。これをより詳しく、多面的に記録し文書としたものを、評価対象にするという訳です。

 記録は生徒の自己申告を基本とし、その上に教員の手を加えたものになります。コンクール等での表彰や、対外試合の結果に加え、学校行事への取り組み、委員会活動やクラブ活動の日常的な参加度等も書き込まれることになるわけです。

 学校としてはこのポートフォリオに書き込めるコンテンツを提供することが必要とされることになります。学業成績が偏差値で表せるもの以外にも拡張するならば、どのような教育的体験をさせていくのか。これが学校の個性になります。

産業界再編

 トヨタ自動車ソフトバンク合弁会社設立のニュースがありました。同じモバイルでもまったく異なる業種の融合です。自動車産業は様々な変革の時を迎えています。ガソリンエンジンからの脱却もそうですが、自動運転やIoTによる他業種との連携が大きな流れになっています。既に両社ともこのことを見据えた技術交換を海外企業などと進めています。昨日の発表はその中の一つなのですが、日本の大企業同士の連携という面に注目が集まりました。

 産業再編は今後様々な局面で見られることでしょう。生徒諸君には将来いままで存在しなかった仕事に就く可能性が高いとよくいうのですが、その具体例が見えてきたともいえます。自動運転車で展開するビジネスプランナーは意外と早く現れるかもしれません。

 若い人には柔軟な発想力とそれを支える基礎的な力とを養っておいてもらわなければと改めて思います。時代の流れに振り回されるのではなく、流れを作る側の人材育成こそ、教育の果たす使命だと感じています。

天候不適応

 周囲で体調を崩す人が多くいます。おそらくこのところの天候の急変が体力を消耗させているのでしょう。頑張って働いている同僚ほど風邪などの異変を起こしているところをみると身体にくる最近の天気なのです。

 私は幸い風邪や発熱からは免れています。ただ、気圧の急降下の日には頭痛があります。最近、それがますます強く感じられるようになったのは、意識の問題と血管年齢との両方が関係しているに違いありません。台風はその意味でも苦手です。

 どんなに建物の中に隠れても、空調設備で適温適湿を作り出しても、天候の急変が身体にもたらす影響は実に大きなものであると実感しています。

疑う態度

 本庶佑博士のノーベル賞受賞は様々に報道されています。受賞者のコメントに今回も基礎科学の重要性が強調されたことは印象的でした。目先の利益ばかりを追求するとイノベーションは起きないということではないかと思います。

 何が知りたいのかを、何のためにやるのかより優先しなければならないという趣旨のコメントもありました。費用対効果が厳しく求められる現状ではこの考え方は贅沢にも感じます。でも、こうした余裕がなければ新機軸は生まれないようなのです。

 知的好奇心を具現化するためには既存の学問を疑う態度が不可欠だとも述べられていました。既定路線をたどるのではなく、みすから解を求めて努力を継続する必要があるという訳です。

 果たしてこれからもノーベル賞受賞者が出続けるのか。昨今の大学事情を鑑みると門外漢ながら心配になってしまいます。

話し方

 今日は少しだけ話し方の授業をやってみようと考えています。口頭発表をする際の基本的なスキルを見直してもらうのが目的です。

 まず、姿勢と発声の方法を確認します。肩幅くらいに立って親指あたりに重心があるのを意識してもらいます。前のめりにならないように視線の位置を決めさせます。軽く首を左右に動かして、不自然にならないかも確認します。

 次に腹式呼吸を意識してもらいます。始めはできるだけ深く吸い込んで、ゆっくり吐き出す練習を繰り返します。お腹に手を当てて腹式呼吸を実感してもいいと思います。

 今度は声をつけます。長い呼吸に合わせてアとかマとか発音しやすい音で腹式呼吸で発声してもらいます。大きな声でなくてもいいのではっきりと、いちばん遠くの人に届くように話します。

 単音に慣れたらアイウエオとか特定の文章を先ほどと同じ発声方法で言ってもらいます。滑舌の練習ができればやりますが、授業レベルではそこまでは目標にはしません。

 今度は視線の送り方を覚えてもらいます。まずは向かいあって視線の範囲を確認します。2メートルくらい離れて一方が視線を送り、目があっていると見られている側が感じているときは手を下げ、視線からはずれた時に上げてもらいます。相手の手が下げられているのに、実は自分は相手の目を見ていないという範囲を確認します。それが目が合っているという錯覚の範囲です。距離を変えて試してみます。

 次は言葉の投げかけ範囲の練習です。独り言のようにいう、特定の人に対していう、大勢に向かって話す。この3種類の言い方を意識してもらいます。台詞は「今日は火曜日」でも「お腹空いた」でもいい。

 他にもありますが、このくらいしかできないでしょう。

恐怖の強風

 台風のもたらす暴風雨は関東では今日の未明に通り過ぎました。強烈な暴風は鉄筋コンクリートの建物の中でも恐怖を感じるほどでした。風の塊が断続的にぶつかってくる感じでした。

 起きてみるとベランダの鉢が一つ転がって土をばらまいていました。玄関前の通路は周辺の植木のまだ青い葉が散乱しており、それが階段にも続いています。道路にもゴミ箱などが転がっており、相当な風が吹いていたことが分かります。

 風の音がこんなにも恐ろしいものだとは思いませんでした。この規模の台風が年に2度上陸したのは観測史上初とのこと。やはり気象は異常なのでしょう。次の台風も発生しているとか。抗えぬ力とはいえ何とかならないものかと思うのです。

歩くこと

 当たり前ですが実はかなり大変なことであるということはいくらでもあります。例えば歩くことがそれです。

 二足歩行は絶妙なバランスでできあがっています。身体的な障害があるとそれが途端に困難な問題になってしまいます。私は数年に一度、膝関節痛で立ち上がるのも難しくなるので、実感としてこの事態を理解できます。

 四肢に不自由がなくても脳に障害があれば、やはり歩くことは困難です。最近、そういう事例を身近に感じることがあり、体は筋肉だけではないことを痛感しているところです。

 歩くことができる奇跡を私たちはもっと意識していいのかもしれません。