はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

古文の音読

 古文を教えていて最近つくづく思うのは中学生にとって古文は外国語なのだということです。そうである以上、音読は欠かせないと痛感しています。

 文法を教えるとき、どうしても要の部分で語感が求められることがあります。たとえば「書く」に「ず」をつなげると「書かず」になりますが、それが「書きず」「書けず」ではないと識別することには言語の自然性に対する認識によるのです。その感覚は古文との親和性に基づきます。

 「ありがたかりけり」「なせばなるなさねばならぬ」などの言い回しはやはり耳で覚えていないと判断基準として機能しません。この目的ではやはり古文をどれだけ聞いたかが重要です。

 自分で古文を読むこと、それを楽しめる工夫をしなくてはならないと考えています。

期待

 教育という職業の動機は次世代を託す人物を育成しているという自覚にあります。夢というよりは切実な願望といった方が適切かもしれません。

 昔、上級軍人を育成するために徹底的にしごく教育担当の軍人の映画を見たとき、どこかで共感する何かを感じました。私がやりたいのはエリートの育成なんだと、徹底的に指導はするけれどもそれはあくまで将来の指導者を生み出すためにやることなのです。罵声を浴びせることはあってもあくまで相手への敬意は忘れてはならない。いまは生徒でも将来はこの国をあるいは極東地域を、または世界を救う人になるのかもしれない。そういう人材を育成しているという感覚が、教職を続ける原動力になっています。

 たとえ何十歳も下の生徒であっても、敬意をもって接することは忘れてはならない。彼等の可能性は私よりも遥かに大きい。そのことに私は最大限の注目をしたいのです。教員を続けていられるのは、自分が彼等の飛躍に少しでも関与する栄誉が得られることに誇りを感じるからなのです。

初めての買い物

 朝、コンビニエンスストアでパンを買いました。そうだ今日から10%だと思っていつものようにエディで支払うとレシートにはたくさんの項目が印刷されていました。

 どうも食料品は8%のままらしい。さらにキャッシュレスの支払いにすると還元される金がある。結果として昨日より支払額が減っていました。前々から軽減税率の話は話題になっていましたが今朝それを実感しました。

 複雑な税率は庶民生活の保護のための施策でしょうが、この複雑さが場合によっては仇となる場面もありそうな予感がします。ルールをよく理解しておかなければなりません。キャッシュレス還元が形として見えることになって、一層の現金離れがすすむでしょう。懸念されるのは金銭感覚の鈍化、非常時の対応、そして個人情報提供の自覚を持つことではないかと考えます。

 社会の仕組みが変わると必ずそこに損得が発生します。自らの無知による損失は諦められますが、悪意による不利益は許せません。より詳しく学習し、社会を監視していく必要があります。

前半終了

 今日で年度の半分が終了したことになります。いろいろあった毎日でした。これを書きながらさまざまな場面を思い返しています。

 スポーツならばハーフタイムがあってその間に作戦の立て直しもできますが、実際にはすぐに後半が始まってしまいます。少なくとも気持ちを切り替えてもう一度できなかったことにチャレンジする気持ちだけはもっていたいと考えています。

 次はもっといい波がくると信じて沖合いに向かう気持ちだけは持っていきます。

駅名変更

 普段使っている駅の名前が変わることになりました。それだけのことなのですが、何かが変わってしまう気がします。

 私たちは物事を名前で把握しています。住んでいる土地でさえも名前で把握しています。東京は都会だとか、長野は山が多いとかそういう感覚でとらえています。だから駅名が変わることはイメージの基準が変わってしまうことにつながると思います。

 古代の人々は地名に魂があると感じたようです。その土地の神の名前だとも考えました。それを簡単に変えていいものか。そんな幻想が頭をよぎっています。

ラグビーの魅力

 ラグビーワールドカップで勝てるはずはないと大半の人が考えていたアイルランド代表に日本代表が勝利したという速報を知り、感激してしまいました。

 ラグビーそのものをした経験は私にはありませんが、かつて秩父宮ラグビー場の近くに住んでいた私にとって、親しみのあるスポーツでした。大学の対抗戦のリーグでは自分の通っていた大学もそこそこ強かったのもあって楽しみの一つでした。

 ラグビーは体当たりをするという点においてフィジカルな競技ですが、戦う気持ちが直接発揮されるメンタルなスポーツでもあるのが何ともいえない魅力です。その当時とはラグビーも変わったようです。大学チームが社会人に歯が立たなくなった頃から質的な向上がありました。さらに日本のリーグに参戦し、戦い続けてくれる外国人選手が増えたことも変わりました。

 今回の勝利でラグビー場に足を運ぶ人はきっと増えるでしょう。その魅力の理解者も増えると考えます。

危険な都市生活

 とある保険会社のCMでラグビー選手が一般人に突然タックルをするという内容のものがあります。屈強のラガーマンに押し倒され引きずられた後に車が飛び込んできたり、看板が落下してきたりします。タックルされた人たちは結果的に致命的な被害から免れ、一命を取り留めるという訳です。

 オールブラックスの現役選手を起用した演出はちょっとした感動を覚えるのですが、一方では少々恐ろしくも感じます。車が飛び込んでくるのは最近はしばしばニュースになっています。看板などの設置物や建物や橋脚などの老朽化も今後焦眉の急の社会問題といえます。危機を予測して救ってくれるラガーマンは現実社会にはいません。

 私たちはかなり危うい都市の中にそのことを忘れて暮らしている。そんな危険性を改めて感じたのでした。