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大河ドラマに文句を言う人

 NHK大河ドラマ「江」はお江の方の視点から戦国末期をみるという斬新な視点で描かれています。そして史実とされていることにとらわれない大胆な解釈と人物造形も大変ユニークです。
 これに目くじらを立てる人たちがいます。中には歴史の教科書の代わりと考えている人もいて、そういう人たちからはこの創作がまったく許せないらしい。だいたい当時10歳程度の江が信長とどれだけわたりあえたのか、光秀や家康からどれだけ重んじられたのかについては疑問だと言うのです。演じる上野樹里が無理して少女役をやるのもおかしい。のだめそのままだなどと。
 演技については別として、ドラマを史実と考えたり、それに近似するものと考えるのは根本的に間違いだと私は思います。歴史ドラマは、史実に着想した創作であり、史実とはまったく異なるものです。また私たちが史実と考えているものの史料になったものも、実は記録者の創意が内包されているものであることを忘れてはなりません。
 大河ドラマはいかに史実と言われているものに対していかに味付けがなされているのかを見るべきものでしょう。そのためには歴史に対する関心を深め、多くの史料を読み比べる行ってみれば歴史リテラシーが必要なのです。
 そういうことを時間をかけてできるのは学生時代です。単に年号や事件の名前を覚えるだけの勉強ではなく、歴史を流れとしてみること、また文学や映画作品になるとどう描かれるかを考えながら読むという余裕がほしいと思います。