はてなの毎日

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誤報でもいい

 今日の16時56分33秒に緊急地震速報を知らせる警告音が携帯電話から鳴り出しました。私はしつこい夏風邪のため、近くの内科の待合室にいたのですが、そこにいた数名の人たちの電話から同じ音がしたので、瞬時に緊張が走りました。ただその文面を見ると奈良県で地震発生とのこと。奈良とは随分遠いのに、しかも速報が来るとはこれは歴史的な大地震の来襲かとも思いました。しかし、実際は無感の小さな地震だったのです。

 この誤報の原因はほぼ同じ時間に海底の観測点がとらえたノイズだったようです。離れた場所で同時にP波を観測したとなれば、大きな地震になると考えるのは理論的には正しいわけです。緊急地震速報はそれが速報であるがゆえに意味があるものであり、検証をしている時間はないのですから現在の科学のレベルからしてこのような誤報はありうるのです。

 私は今回の事例で速報の基準を変更してほしくはありません。誤報はこれからも起こりうるでしょうが、それでも構わないと思うのです。本当の地震の際に速報が送られないということがないようにしてほしいと思います。

 また、今回の誤報でいわゆる「狼少年」(狼が来たと嘘を言う少年)的な考えが起きないかも心配です。精度は悪くてもないよりははるかにいいのです。これを軽んじるようなことがあってはいけません。

 速報に奈良県が震源だから大丈夫という反応をした人もいました。しかし、どこが震源であろうが危険の接近には変わりありません。むしろ、遠い震源の速報が来たということの意味を考えなくてはならないと思うのです。

 何年後かは分かりませんが、大きな地震が来ることは確実なわが国にとってこの世界に誇る地震速報システムを生かすも殺すも私たちの使い方次第なのです。