はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

水族館と虫籠

 夏休みの最終日は昔から大変な一日でした。抜けてしまった絵日記を書き足し、読書感想文をでっちあげ、計算ドリルに苦しんだ後、残るのは自由工作でした。これがなかなか厄介で毎年の様に水族館を作ったものです。水槽に見立てたお菓子の箱の一面をくりぬいて中に昆布のような紙の海藻を立てて、魚の形に切った紙の真ん中に糸付けて箱の上の面から吊るすのです。低学年の時はうけがよかったのですが、さすがに上級学年になると物足りない。そこで細い木材と竹ひごで虫籠を作ったのでした。

  父は手先が器用だったので、私の不器用を見かねて手伝ってくれるのですが、段々と興に乗って頼みもしない工夫を施してしまいにはかなり立派な仕上がりになったものでした。とても子供が作ったとは思えない作品を学校に持っていくのは後ろめたいものでした。ただ、当時の同級生たちの提出したものの多くは似たような事情があったように感じました。

  31日になると思い出すことなのです。