はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

 今年の漢字は「安」との発表がありました。安全・安心の「安」ですが、どうもその表面上の意味とは裏腹な実情があるようです。
 今年は安保関連法案をめぐる賛否が議論された一年でした。集団的自衛権行使の是非については十分な議論が行われたとは思えません。選挙で自民党が大勝し、安定多数を確保した時点でこの結末は分かっていたことではあります。経済・福祉など問題が多極化しているなかでの選挙が非常に難しいことを改めて痛感するのです。平和に対する安全が破られるさまざまな可能性を考えた一年であったことになります。
 お笑いタレントの「安心してください」も今年の漢字の選択に関係しているのでしょうか。でもよく考えてみれば「安心してください」という言葉自体が安心がならない現状を前提としたものなのです。
 つまり、「安」は不安と裏腹であり、不安を感じる時にこそ起きる概念であることになります。安は決して今の状況ではなく、その状態を渇望するさまそのものなのでしょう。