はてなの毎日

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コモディティ

 先日、ある本を読んでいたら、知のコモディティ化という表現が難度も使われていました。かつては独創的なアイディアで競争を勝ち抜くことが可能であったのに、今は成功例は瞬く間に模倣され、陳腐化してしまうという内容でした。小手先の発案では難局は越えられないというのです。

 知の共有がなされること自体はよいことでしょう。ただ、苦労して開発したことがいわばただ乗りのような状態で拡散すると、創作者の意欲は損なわれてしまう可能性もあります。

 コモディティ化しても消えないものは何か。それはそのモノやコトに対してどのように関わっているのかという思いの強さにあります。同じように見えてもそこにどのようなストーリーを与え、どのように関わるのかで差別化が起きるのです。

 事物が手段のためにだけ使われるならば、その価値はコストだけになります。それに精神性が加味されたとき、価値観は大きく変わるのです。

 すべての文物が瞬く間に汎用品化する現代において、今一度物心一如の考え方を見直す必要を感じるのです。