はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

観客席の騒音

 サッカーの東アジア大会の日韓戦で韓国人サポーターが出した看板が政治的メッセージであったとの批判が世間を騒がせています。オリンピックの際にも同様の問題があったのは記憶に新しいですが、きわめて残念なことです。スポーツは本来、政治的に中立であることを前提としています。それをあえて犯すのは、一部国民のフラストレーションが噴出したものかもしれません。ちなみに日本のサポーターも旭日旗の様なものを振ったことが問題とされているようです。
 両国は政治的にはさまざまな乗り越えるべき障害があり、それを越える手段の一つがスポーツをはじめとする文化交流です。そのチャンネルの中では日常の対立点に拘泥せず、より建設的な方面に力を注ぐべきなのです。それがなくなれば閉塞状況はいっそう深刻になっていくだけです。
 今回の問題に関して韓国の非を責める論調は多いですが、はたしてそれだけでよいのでしょうか。我が国でも程度こそあれ、他国を露骨にしかも不当に非難する動きがあります。潜在的にあったものが徐々に顕在化しているようにも思います。
 国際問題について考える重要性はもちろんですが、文化交流という次元の異なるつきあいの方法の意義と、方法について我が国でも考えていかねばなりません。平和国家を標榜する日本にとってこの方法は我が国の死活問題であり、この方面に対する議論は大いに行うべきでしょう。