どこにもない何か

　私たちが探しているのはどこにもない何かなのでしょうか。どうもそうではないように思うのです。

　現状打破をしてくれる画期的な手段なりものなりを期待する気持ちがあることは確かです。しかし、本当にそのようなものは存在するのだろうか。むしろすでに存在している何かがその役割を果たすのではないだろうか。私たちが幻想することの多くはもう私たちが目にしている何かであり、それを工夫したり視点を変えたりすることで威力を発揮するのだと感じるのです。

　そのためには日常と正対し、なおかつ常に精神を研ぎ澄ます必要があります。日常生活を諦めてはいけない。そこから生まれるものがあるのです。