はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

感じ取るもの

 何らかの文章を読むとき、そこから得られる情報は必ずしも論理的なものばかりではありません。それが会話文になるとほとんど言外の情報を無視できないほどになります。伝わっているようで伝わらないものがあるのです。

 論理的な読解力があるという人が陥りやすいのは、文章を文字通りの意味としてだけしかとらえていないことでしょう。もちろんこれは実務的文章の世界では当然のことであり、行間を読んではならないとされています。しかし、日常的な文章を読むとき、通常の会話のやりとりでは、言葉の裏にあるものを読み取らなければ本当の理解に至りません。そして厳密に言えばこの書かれていない表現の読解は個々人によって少しずつ違ってしまいます。読み手の能力や経験の違いによって見えてくるものが異なるのです。

 感じ取るものがちがうという事実を私たちは忘れてはなりません。法務的な文章ならばいざ知らず、私たちは曖昧なコミュニケーションの中で生活しているという事実を無視して考えることはできないのです。